From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

物騒な出来事がだんだん身近になってくる

ロンドンで、歩道に乗り上げた車が通行人をはね、バーにいた客らがナイフで刺された。テロらしい。最近ヨーロッパのあちらこちらで、テロのような事件を耳にする。何かある度に、日本国大使館から警告メールがくる。また、何かなくても、イスラム教の断食、ラマダンの前に、警告メールがくる。

テロとは違うけど、最近二人の日本人が殺される事件がフィリピンで起きた。以前住んでいたパラワンでの出来事故に、気になっていた。調べてゆくうちに、実は、5月5日に、日本人女性がパラワンで殺されていることがわかった。リゾートホテルのオーナーで、米国籍。

実は、私は彼女と会って話をしたことがあった。私の友人の知り合いで、日本人だということで、エルニドに行った時に、紹介してくれた。アメリカ人の旦那さんがいて、長いことそこに住んでいるとの事だった。年は60代なかごろかな。話をしている時に感じたのが、非常に優しい人で、よく回りに配慮をし、気遣いを示す人だった。とても忙しいのに、時間を取って話をしてくれた。一時間ぐらいは話したかもしれない。従業員に慕われる、寛大な人なのだろうと思った。

フィリピンには時々、お金持ちでもケチになったりせず、周囲や、親戚の貧しい人たちに収入の道を敢えて作る親切な人がいる。何人かそういう人たちに出会った。彼女も、そういう人なのだろうと思う。

何しろ、この国の政治家たちは、貧乏人は貧乏のままにしておきたい。貧困に対する国の福祉政策など殆ど無い国だから、誰かが個人的に何かしないといけない。貧困に対する政策は、あまりに貧困者が多すぎて、大変なのかもしれないけど。

とにかく、この優しい女性が、ひどい仕方で殺されたのは悲しかった。犯人はまだ捕まっていない。この犯人には多額の懸賞金がかけられている。

詳しくは、

https://www.facebook.com/justicefornaoko/

これはテロではないけれど、テロを含めて、物騒な話題が増え、それに慣れっこになってくるような気がする。驚きがだんだん弱まって、またか、と思って、そのうち、世の中全然変わっていない、昔からこんなものだったというような気になってくるのだろうと思う。

変な気候にも、慣れっこになってくる。

世の中全然変わっていない、昔からそうだったよ。そう聞くと、そうかな、なんて思うけど、もう一度、客観的に昔のことを思い出してみて欲しい。

自分たちが住んでいる今の世の中はこんなものだったと本当に言えるだろうか。世の中こうやってずっと続いていくのだと、ほとんどの人が思っているような気がする。これって、本当に現実的なことかな?