From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

日本語の詩のサイト

日本語の詩のサイトに、時々投稿している。

自分でうまくできたと思うものはない。

正直、好きな詩人もまだいない。敢えて言えば、平安時代の歌が好きだ。それ以外に、バイロンの和訳、それも、昔の和訳で、現代のは好きではない。

戦前の日本の文学は、微妙な心の動きを繊細に捉えているところが、実に素晴らしいと思う。でも、殆どは私小説で、そこには、社会全体への関心があまり反映されていないように思う。社会はどうあるべきかという、作家なりの考えというのが、あまり含まれていない。

それに比べ、その他西洋諸国の作家の作品は、彼らの社会に対する考え方が、強く反映されている。そういう意味で、私は、日本の文学に、あまり強い魅力を感じない。

現代もそうだ。同じことが当てはまる。

子供なのだ。子供は、周囲からの影響を強く受ける。社会がどうあるべきかという考えがないと、社会から隔離されるのではない。世の中の大きな流れに、巻き込まれる。権威者はそういう子供が大好きだから、あつめて、自分の下につける。

社会から隔離される危険性は、むしろ、社会に対する独自の考えを持つ人間にあると思う。戦わないと、隔離されてしまう。追い出されてしまう。

その闘いが、作品となり、強いインパクトと共に、社会に提出される。これこそが、芸術家の社会的役割ではないかとも思う。これは、一番大げさな例だけれど。

そういうことは、いろいろな方面で、いろいろな程度で、行うことができるのだと思う。

日本社会というのは、くだらないものをたくさん提供しているが、そのくせ寛容性がない。勝手なことは許さない。子供は子供のままでいてほしい、独立した大人になってほしくないのだ。

でも、自分の母国語である日本語で、もし、素晴らしい詩を書いている人がいたら、ぜひ紹介して欲しい。