From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

愚か者

私は世の中を、愚かだと思っている反面、

自分はその愚かな世の中のレベルにも達しない

もっと愚かな人間だと思っている

愚かな世の中を離れて

眺めるのも、

その愚かな世の中には

入り込めないから

そうするしかないのだ。

ただ、ふと周囲を見ると

私はまだその愚かな世の中の

柵の中にいて

愚かな世の中の柵を広げ

外にはみ出そうになった人に

座るための椅子を与えようと

必死になっている。

でも、椅子を買うためのお金がない!

だから、椅子なんて素晴らしい物じゃなくて

大きなすわり心地の悪い石だったりする。

その人たちは、石がが凸凹しているので、

おしりがいたくなったり

落っこちて尻餅をつくことがある。

人間はどうあがいても

一人では生きられない。

愚かな世の中で

さらに愚かな私は

表面上人を馬鹿にしながら

実は寂しくてたまらない。

劣等感に圧倒される。

中心に入ることはできないし

入りたいとも思わない

私の感情的な動機と同じ方向にある理性的な動機が

頭の中で入るなと言っている

私にはちょうどいい。

 

分断され、矛盾した私の考えが

理論の筋道から大きく外れて

そのまま空中に飛び出してゆくときに

面白いと思って

優しい気持ちで

心から笑ってくれたら

私は本当に嬉しい