From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

人の口から出る言葉

Luke 6:45(KJV)

45 A good man out of the good treasure of his heart bringeth forth that which is good; and an evil man out of the evil treasure of his heart bringeth forth that which is evil: for of the abundance of the heart his mouth speaketh.

善良な人は、まるで宝の中から良いものを取り出すように、良いことを話し、邪悪な人は、まるで宝の中から悪いものを取り出すように、悪いことを言う。だから、どんなに自分を隠そうとしても、結局は心の中にあるものから、物事を選択して、相手に伝える、つまり、隠し切れないのです。

the abundance of the heart his mouth speaketh.

悪い言葉や、軽薄な考え:
その人が、他のものと一緒にそういう考えを持っている

それらが表現される:
その人は敢えてその心の中から、それを選択して表現している

よく「言葉とは裏腹」というけれど、基本的には、その言葉を敢えて心から取り出すことを行う自分を許容しているということだ。

世の中には、自分の欠点をすなおに認めず、自分を改善する辛さを一生避ける人もいる。そういう人間に限って、他の人には厳しい。また自分の欠点を知っていることを公言して、わかっているけどこれが自分だと開き直る人もいる。時にはそれが非常に謙虚に映るかもしれない。
しかし、謙虚さというのは、そこに改善の闘いがあって初めて存在し得る特質のように思う。

とりあえず、人は、自分以上に自分を見せようとも、自分以下に自分を見せようともすることはできない。言葉の端々や、あらゆる物事の反応の仕方に、その人が本当はどんな人なのかを表す、暗号がたくさん含まれている。

もし、本当に深いものを持っている人であれば、自分の口から深いものがでてゆく喜びを抑えきれないだろう。世の中や、退屈な仕事につかれているからこそ、良い物に触れる喜びをかみしめ、それを他の人と共有することに、安らぎを覚える。

軽薄を装うことはできない。