From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

人間は残忍になることができる - 出エジプト記23:19を考える。

子ヤギをその母の乳で煮てはならない。という法律があった。

Exodus 23:19 (KJV)

The first of the firstfruits of thy land thou shalt bring into the house of the Lord thy God. Thou shalt not seethe a kid in his mother's milk.

 

動物に対する哀れみを持つようにという精神が背後にあるけれど、ちょっと待てよと思う。

そもそも、もう死んでいる動物を、その母の乳で煮たところで、死んだ動物はなんとも思わない。

なぜこのような法律があるのか、考えてみた。

 

聖書は、人間の益のために書かれた。その中の様々な法律や原則は、拘束という目的ではなく、保護が目的とされている。

上の法律も、その法律を守る人間のためになるはずだ。

 

人間の心というのは、訓練次第でかなり残酷なことが出来るようになるようだ。訓練ではないけれど、よく、小動物への虐待が、実際の人間の虐待に移行することが言われている。

より大きな残虐性を求めて、エスカレートする可能性があるようだ。

 

上の法律は、子ヤギとその母のための法律ではなく、それを守る人間の心が、間違えた方向に走らないようにするための法律であって、それは、共に生活する他の人々との平和にも寄与するはずだ。

 

私はそう考えた。

 

イスラエル人たちが、長い年月荒野をさまよったわけだけど、厳しい環境の中でも、身体や、精神の健康を保つことができたのは、こうした聖書にある法律があったからだ。