From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

家族を持つということとは本当にどういうことか

DVというのは、密室の暴力で、なかなか表面化しない。蟻も殺さないような優しい人間が、家庭という密室の中で、情け容赦のない虐待者となる。その犠牲者が外に助けを求めても、誰も信じてくれないどころか、犠牲者本人が悪いのだと非難される。虐待者は、暴力を振るうだけ振るった後、毎回泣きながら謝罪する。もう二度と、そんなことはしないと。そうして虐待を繰り返す。

DVを目の当たりにして育った子供は、それが自分の愛する者への愛情表現なのだと、知らず知らず理解してしまう。こうして、DVは、親から子供へ受け継がれる。その鎖を断ち切るには、知識と、努力が求められるが、多くの場合、失敗に終わる。

 

家族を維持するということが、だんだん難しくなっている。

人間はだんだん、精神的に弱くなってきている。そういう人間は、自分の非を受け入れることができず、常に自分の周囲に変化を求めることで、物事を改善しようとする。

結婚をして、子供を持ち、幸せに生きたいというのは、多くの人が考えていることだけど、家庭や結婚には、本当の幸せの鍵はないと思う。そういう幸せを求めて結婚すると、まず、家族を不幸にすることが多い。幸せになれないのは、自分のせいではなく、配偶者のせいだと考える。

この人と結婚したら、私は幸せになるなどと考えるのは、不幸の始まりだ。利己的で、自己中心的だ。こういうことを考える人間とは、絶対に結婚しないほうが良い。

 

結婚は、互いが配偶者のために何かしようと心に決めて行うべきだと思うけど、独身を通せれば、それのほうがいいと私は思う。人間は、他の人と平和に暮らすのが難しいほど、本当に弱くなっているからだ。

結婚相手を紹介したがるおせっかいな人もいるけれど、そういう人は、重い責任をになっていることを自覚して、行動してほしい。もしくは、そういうことはもうやめたほうがよいと思う。

 

結婚するなら、そういうすべてのことをわきまえたうえで、決定すべきだと思う。