さみしいところ
小学校の中学年だったと思う。放課後、もう誰もいない教室に、西日が差していた。
木造の古い校舎で、床が木だった。がらんとした教室をみて、こういう家に住みたいと思った。
私は装飾品があまり好きではない。花もほとんど飾らないし、余計なものは置きたくない。テレビも嫌い。
そういう部屋でさみしさを感じるのが好きだ。
寂しいぐらいの、がらんとしたところにいると、頭の中から、いろいろな音が聞こえてきたり、いろいろなものが見えてくるようで、想像力が掻き立てられる。
さみしいと、いろいろなものが作れそうだ。
ストレートで、シンプルなものが、子供のころから好きだった。
飾らない人間が好きだ。