From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

私があればよいと思った音楽 Minimal Music

 

私がミニマル音楽の存在を知る前に、えり抜きの小節をずっと繰り返す音楽があったらどんなにいいだろうと思っていた。Steve Richを聞いたときに、衝撃を受け。これだと思った。今まで、Brian Enoの環境音楽の考え方に共鳴していた。しかし私は、短い美しいメロディーを繰り返す音楽が作りたいし、聞きたいと思っていた。

その後、Soft Verdictや、Philipe Glassなどの音楽の存在も知り、自分でもそういう音楽が作り始めた。大学の卒業制作は、絵画ではなくて、シンセサイザーを数台つなげて多重録音をしたものだった。Christina Rosettiの詩を元に作ったので、ミニマルというわけではなかったけれど、その要素は十分に入っていたと思う。

ミニマルミュージックは、私自身が自然に欲するもので、これからも生きている限り、聞き続けるものだとおもう。

エリックサティは、家具のような音楽を作りたいと言って、狂人扱いされたようだけれど、これは、環境音楽やミニマル音楽と共通するものがある。

今日、また新しく、いい音楽を作る作曲家を知った。

私は、なんにしても、単純なものを、繰り返すのが好きだと思う。食べ物もそう。一人だと、同じものを数か月食べ続ける。単純な中の繰り返しに時々見られる微妙な変化が心地よい。

ところで、私が自作の音楽を持って、レコード会社回りをしていたとき、その当時はやりの、普通の音楽を作るように言われ、私の音楽は、お経のようだと言われた。まあそうかもしれない。はっきり言って、当時の流行の音楽より、お経のほうが聞きやすい。

私は、虚構は嫌いだ。青春ドラマも大嫌いだ。 こじつけも嫌いだし、リップサービスも社交辞令も嫌いだ。芸術の世界にまで、そんなものを要求しないでほしい。

 

Chris Zabriskieというアメリカの作曲家だ。


"John Stockton Slow Drag" by Chris Zabriskie