From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

Be honest, but don't listen to your heart.

国際交流ということが盛んに言われ始めてから、何十年経つだろうか。日本の社会も少しずつではあるけれど、Globalizationが進んできている。でもその反面、ヘイトスピーチとかいじめなどがひどくなってきているように見える。人々の考えは、国際化、またその逆で、異質なものを退ける両方の傾向を観察することが出来る。

国際交流では、宗教や政治、伝統などの違いから、他の国の人々との間で価値観の違いがあることはある程度予測できる。それでも、全く違う土台から来ている概念は、理解するのがとても難しい。ひどい時には、違いに気がつけないほど、自分たちの理解の範囲から遠く離れている場合がある。

善悪の基準が違うと何が起きるか想像できるだろうか。

単純に考えると、自分が悪いと思っていることを人がすると、当然それをしている人は、悪い人ということになる。自分がよいと思っていることを、ある人が批判すると、批判した人は、心の狭い人になる。

社会では、異なる価値観を持っている人々が、互いに批判しあっている。ひどい時には殺しあっている。宗教はそれを激化させる。でも、それをうまく利用している政治家がいて、甘い汁を吸っている。

人々の価値観をコントロールするうえで、マスコミは大きな役割を果たしている。何が狭い考え方で、何が賢い考え方か、本当に私達が自分で観察して得られた考えではなく、うまく情報操作されて、一部の人間の都合の良いように作り上げられている。

最近気になるのは、Listen to you heart...Believe yourself....という言葉だけど、よく考えて欲しい。これをみんながやっていたらどうなるか。それも、自分がコントロールされているとも知らないで。

以前、フィリピンにいる時にこういう会話をした。

Is there any traffic rule in the Philippines?

と聞いたら、若い男の子がふざけてこう答えた。

Yes, there is one. Listen to your heart.

確かにそんな感じの交通事情だ。

 

Listen to your heart.が本当に適用できるのは、

人間が完全な場合

人間が誰からも思想のコントロールを受けていない場合

社会が道徳的にも健全な場合

こういう条件が整っている時だけだと思う。

 

こんなことありえないから、

Don't listen to your heart. だとおもうよ。

 

むしろ、Think and control yourself.

につきる。

感情に流されやすい私は、これがむずかしいんだよね。