大切にしようとすると失いがちなもの
求めたり、大切にしようとすると失うものがある。
それは人間関係かも知れない。
幸福だったりする。
それ自体は、人生の目的にしてはならないものだけど、誰もが無性に欲しがるものでもある。
良い人間関係も、幸福感も、結果として得られるもので、それら以外の何かもっと重要なものを追求しなければならないような気がする。
だからといって、人間関係を大切にしないということではない。
むしろ、人間関係をあるべき位置に置くことで、更に良い関係が築かれてゆくのだと思う。
以前、暇なときに、ラジオの人生相談を聞いていた。
ある人の家庭の問題だけれど。具体的には忘れたけど、専門家が興味深いことを言っていた。
子供の時に家庭に問題があると、大人になって過度に家庭の幸福を求め、逆に家庭を破壊する傾向がある。
何が問題なのか。
幸福の押し付けなのかも知れない。家庭はこうあるべきだという概念が強いと、相手に対してこうあるべきだという考えを押し付ける。
もうひとつ、地域社会の結びつきが弱いところだけではなく、強い地域も自殺者が増える傾向があるらしい。結びつき方に問題がある。個人の自由がない結びつき方だと、結びつきがストレスになるのだろう。思うに、各人が、個性や、信条を制限される結びつきなど、本当の意味で、強い結びつきではない。嘘で固めた人間関係という。
家庭もそうだ。平和もそうだ。戦争がなければ平和ということではない。
個人が安心して、素直に、正直に個人を表現できない平和など、平和ではない。ただ、死なないで生きているだけの人生は、安全な人生ではない。
幸福や、友情が、人生の目的になり得ないのは、そのことと似ている。
本当の友情は、喧嘩をしない関係のことではないし、自分や友人に嘘をついて守るものでもない。
何かもっと、別の目的が必要なのだと思う。