From Tenerife ・テネリフェから

テネリフェに住む翻訳家の英詩、写真、絵画、音楽、スペイン語など

翻訳という仕事をしていて

英語学習サイトで、翻訳を仕事にして生きてゆきたいという人を見かける。

私は、翻訳を17年間しているけど、はっきりいって、私には合わない仕事だと思っている。でも、これしか仕事がないからやっているんだけど。

仕事でいろいろな情報に接することができるのは面白いと思う。しかし、その文章を正確に別の言語に変換するのは、常に、「無理なこと」だなと思う。いろいろなところで、妥協をしないといけない。それに、この世界は、個性は評価してもらえない。文章の一般的美しさは、多少は評価してもらえるだろうけど、芸術的な美しさなど関係がない。芸術系の翻訳もそうだ。文芸系だってそうだ。結局は、ユニークな翻訳などいらないのだ。

私はというと、生まれながらの変わり者である。何をやっても、知らないうちに、人と違うことをしてしまう。だから、ユニークさが売り物なのに、この仕事ときたら、そのユニークさはどっかにしまっておいて、私のとっても苦手な、丁寧で、正確、きちんとした作業をしないといけない。まあある程度の柔軟性があるので、その点は評価されるが。

もちろん翻訳の仕事を継続することで得られた益は本当に大きい。だから、これからも続けるだろうと思う。

仕事をすると、毛がたくさん抜ける。夫が床に落ちた私の毛を見て、全部頭の毛剃っちゃったらって言うけど、それもいいかもしれない。きっと気持ちがいいだろうな。

高校生の時、一度1センチぐらいの長さに切っちゃったけど、評判は悪くなかった。

でも今それをしたら、絶対に後悔するだろうな。